ウェブサイトは日々進化していくものであり、常に大なり小なりリニューアルしていくものかと思います。その現場ではWebデザイナーやコーダー、エンジニア(特にUI系エンジニア)は日々インターフェースの研究や色の調整、配置の調整に苦慮しているものかと思います。
そんな皆様に是非知って欲しい。今日はWebマーケティング、特にA/Bテストについてちょっと話したいと思います。
Contents(目次)
A/Bテストとは?
A/Bテストとは元々バナー画像やリード文の素材を複数用意して、それを来訪者毎にランダムに表示するものです。事の起こりはLPO(Landing Page Optimization)でよく利用されていたものかと思いますが、今ではWebサイトのレイアウトやデザインテイスト変えるようなテストもよく行われています。
A/Bテストの種類
A/Bテストと言っても色々とテストする内容である程度の分類が出来ます。よくあるA/Bテストパターンをご紹介します。 (もっと色々とテストの種類はありますが、それはまた今度)
リード文のテスト
このテストは昔から行われているテストのパターンですね。よく適切な文章を考えるためにあーだこーだいいながら結局責任者が「えいやっ」で決めてしまうパターンは多いかと思います。
何が来訪者に刺さるかというのは、内部に居る人の知るよしでは無い事が多く、このようなリード文については実際にテストする事が重要です。
画像(バナー画像など)のテスト
これも昔から有るテストパターンの一つですね。サイトに置くクリエイティブについて、デザイナーは色々と色合いや過去の経験則などを元に案を出して作っているかと思います。
ただ、何をもって「良い画像(クリエイティブ)なのか?」というものは検討が難しく、経験則も場合によっては全く役に立たないことが多いです。
インターフェース(UI)のテスト
これはここ最近行われるようになってきたテストの一つですね。
Webサイトでは定期的にデザインの潮流や利便性を一気に上げる為、リニューアルは良くある話。その際に、各要素をどこに置くか?という議論はなかなか決定打が出ず、他社サイトの真似をしてみたりする事も多いかと思います。(過去そう言う経験は私もいっぱいありました・・・)
ブラウザの進化によって、HTML/CSSだけで柔軟にサイトの構造を行えるような仕組みが作れるようになった為出来るようになったものです。
なぜA/Bテストを行う必要があるのか?
「A/Bテストを行うぐらいなら、どんどん新しいことをした方が良い」という話もたまに聞いたりします。本当にそうでしょうか?
A/Bテストの目的は「サイトの最適化」なんて言い方をしたりしますが、いまいち具体的ではないですよね。具体的に言うとどういうことなんでしょう。
私が思うにA/Bテストを行う最大のメリットは「1つに決める為の時間を削る事が出来る」と言うところにあります。
現場でデザインを決めたりする場合に、相当な量のミーティングやディスカッションを行っていないでしょうか?いろんな人の意見を聞いたりして、内部の調整を行い決裁権のある人のレビューを通した結果やり直しなんてパターン・・・
その作業に携わった全員の時間量と言えば相当なものです。この作業時間を圧縮する事がA/Bテストを行うことで可能です。もし、意見が割れたら2つをテスト対象にして行ってみれば良い訳です。
A/Bテスト推進組織の必要性
A/Bテストをやってみようと思ったときに、色々とやる事は出てきます。
- A/Bテストを行うためのツール、システム選定(=システム)
- A/Bテストを行うためのサイクル作り、テストパターン作成(=デザイン)
- A/Bテストのサイクルを推進していく人の準備(=マーケティング)
こうやって大きく3つに分けると「システム」「デザイン」「マーケティング」の各担当が必ず必要になることが見えてきます。これは非常に重要なことで、A/Bテストを進めていく際にはこの3視点の担当者が協力して進めていけるような体制が必要になります。
A/Bテストのデザインパターンやサイクル作りをしても、システム側で実装出来るかどうかの検証が出来る必要はありますし、A/Bテストの結果を分析してテストの方向性を決めていくマーケティング担当者も必要になります。
A/Bテストを使ってデザインの最適化を
万人が満足するインターフェース、デザインなんてものはそもそも有りません。ただ、「最適化」する事は可能です。
なるべく苦労してデザインの皆さんが考え、システムの皆さんが作ったものを最適化する為にA/Bテストはあります。是非活用していきましょう。
最後に
いかがだったでしょうか? 今日の記事はまず必要性だけなので、今度は「実際にA/Bテストを行う際のポイント」や、今やA/Bよりも「ターゲティング」がメインになってきているので、そちらの話もしたいなと思っております。