東京ゲームショウ2018 で感じた日本のe-sportsとデジタルマーケティングの可能性 その1:基調講演内容ログ

先日東京ゲームショウ2018のビジネスデーに参加してきました。
中学生からほぼ毎年行っていたゲームショウですが、ビジネスデーで入れてるのはここ2年位の話でして・・・

今回は休みも取れたのでガッツリゲームビジネスを肌で感じる為、基調講演も聞いてきました。今回の基調講演は「eスポーツが”スポーツ”として広がるためのロードマップ」というお題でなかなか面白い話が聞けたなと思ってます。

そこで今回はデジタルマーケティングの観点からこの基調講演の内容を読み解いていきたいなと。

とはいえ、ログだけで結構な量になったので、まずは参加ログから公開。

Contents(目次)

基調講演概要と内容について

まずは基調講演の概要です。eスポーツの推進する団体の会長から、eスポーツタイトル及び大会運営をしている企業、アジアでのeスポーツやリアルサッカー協会からと、色々な方々が出ております。

タイトル:eスポーツが”スポーツ”として広がるためのロードマップ

  • 岡村秀樹 氏(日本eスポーツ連合(JeSU)  会長)
  • 荒木重則 氏(カプコン 常務執行役員 eSports統括本部長)
  • 森田直樹 氏(コナミデジタルエンタテインメント ウイニングイレブンシリーズ制作局長)
  • ケネス・フォック 氏(Asian Electronic Sports Federation 会長)
  • 岩上和道 氏 (日本サッカー協会 副会長)

ゲーム市場の概況について

  • 日本のゲーム市場は直近10%成長率
  • グローバルも成長中。
  • ゲームプレイヤー人口40%、4500万人。人口の85%はゲーム体験済み
  • ゲームをプレイするだけではなく、観戦するなどの新しい楽しみが増えてきた影響もあり、プレイ以外の見方も必要あり。
  • ゲームの影響は大きいので、ペアレンタルコントロールは今後も引き続き重要。みんなで啓蒙が必要。
  • ゲームとスポーツの親和性は高い。競技としてのゲーム。
  • 競技になると、選手や指導者、メディアにファンやサポーターと市場が広がる。競技性の向上により個人ではなくチームスポーツとしての側面も出てくるはず。
  • eスポーツの認知は日本国内でも40%を超えた。視聴者数も400万人近く。まだゲーム市場を考えたら伸び代はあるのでは。

日本eスポーツ連合(JeSU)の取り組みについて

  • 日本国内は今年非常に伸びた、ただ海外に比べると遅れ気味。
  • 法整備や日本におけるPCゲームの規模の小ささが問題だった。しかしスマホゲームという領域がeSportsに含まれる様になってきたので、日本でも伸びるチャンスが出てきた。
  • JeSUとしてはルール整備とプロ選手化(ライセンス発行)、大会主催による機会創出、海外への選手派遣を実施。

CAPCOMのeSportsの取り組みについて

  • ストリートファイターシリーズを活用して1992年から国内で大会を実施
  • 世界展開も常に実施。(CAPCOM PROTOURなど)
    • 30カ国で実施、毎週末にオンライントーナメント等で実施
    • 年に一度のCAPCOM CUPを実施
  • 1対1の対戦だけではなく、チームでの戦いも見たいということで、Abemaと協力して実施。
  • 草の根活動、東京のイベントだけでは地方参加が難しいので、各地方でキャラバンを実施。(夏休みの期間に行い、最後は全国大会へ)
    • 一部地方イベントでは企業とのタイアップ等も行っている

KONAMIのeSportsの取り組みについて

  • コナミのeSportsはPES LEAGUE(ウイニングイレブン)、遊戯王、e BASEBALL(パワプロ)の3つ
  • ウイニングイレブン累計1億本発売
  • アジアや世界中でウイニングイレブンeSportsは実施中。

Asiaでの取り組みについて

  • Asian Gamesとしてアジア大会を実施。
  • 放送も含め、非常に大きい規模での開催ができた。(大会自体はもちろん、オープニングイベント等も規模が大きい物にできた)

すいませんあまりメモできなかった・・・

サッカー協会としての取り組みとeスポーツ

  • サッカーの特徴:誰でもできる(Inclusive)、非暴力(No Violence)、世界規模(Worldwide)
  • サッカーゲームを通じてリアルサッカーの興味を持ってもらう、ファンを増やす
  • リアルサッカーと同じく、サッカー協会としても「日本代表」を作っていきたい
    • 指導者の育成、ユースの育成、代表を強化していく

パネルディスカッションでの内容

  • eSportsの5つの課題
    • プレイヤーの質と量の拡大
    • 視聴者やファンの拡大:ゲーム好きじゃない人のファン拡大
    • eスポーツ向けタイトルの充実
    • 興行(エンタメ、イベント、ビジネス)としての魅力向上
    • 日本のeSports業界の国際競争力の向上
  • プレイヤーの質と量は、マーケットの拡大や認知度と相関関係があり非常に重要
  • 日本はオフラインでの大会やコミュニティがあまりにも少ない。
  • 如何にGlassRoots(草の根活動)を広げていくか。量が増えないと。
  • ストリートファイターシリーズは歴史があるので、既にTopプレイヤーにファンもいるし裾野も広い状況
    • やっぱり歴史が重要か。
  • これから競技人口を増やすためには「モバイル」を使ったeSportsが重要ではないか(コナミ)
    • ウイニングイレブンもモバイルゲームも出した、これを使ってeSportsをやっていきたい
    • 結局eSportsは操作が上手を競う話で、それは家庭用ゲームやPCゲームなら表現しやすいがスマホゲームは表現しにくい
  • 大会自体の裾野も重要。Topプレイヤーだけじゃなくて、性別や年代、体に障害を抱えているなどをカテゴリごとの大会も重要では。
  • アジアとしてもオフラインでのチャネル(ローカル大会)も重要と考えている
  • やはり重要なのはファンを増やすこと。草の根活動をしようは重要。実際に本当に裾野・ファンを増やすのは大変なので。
  • 教育(学校)の中にeSportsの内容も入って行く必要があると考えている
  • アジアでは草の根活動の一環で、学校ごとの大会等も考えている
  • リアルスポーツとeスポーツが一緒にできるような環境が本当は理想
  • 参加しやすい、エントリしやすい環境
  • 学校のレベルだと、中学や高校の部活動(クラブ活動)にしていくようなことも重要
  • 視聴者やファンの拡大について
    • サッカーの経験からすると、まずは「サッカーを好きになってくれる」人が増えないと話にならない。それがリアルでもゲームでもOKだと思ってる。
    • ゲームの方はリアルに比べて裾野を広げやすいと思っている。(運動能力、性別などの壁を超えられる)